名にしおば いざ言問はむ都鳥 わが思う人はありや無しや

   
          ほ〜むぺ〜じ  
いにしえは平安中期の「伊勢物語」の主人公といわれる在原業平が幻しの恋する
人に思いを寄せて詠む。

「名にしおば いざ言問はむ都鳥 わが思う人はありや無しや」

この時代から隅田川辺りはロマンチックな風情が漂う。
江戸時代に入り両国橋が架かると人の往来も増し、徳川家康がはじめて観覧、
絶賛したという両国の花火が年中行事に・・・。
八代将軍、吉宗が隅田川の氾濫を防ぐ護岸の為に桜の木を浅草、向島の両岸に
植え、隅田川畔は上野についで桜の名所になります。
春は桜、夏は花火の江戸の名所として多くの庶民に親しまれてきました。
また向島は江戸時代から歴史上の人物、文人に愛され、居をかまえる人も多く
文人墨客の集う由緒豊かな地としても知られております。
悠久の流れ、隅田川とともに育まれてきた向島には江戸庶民の生活、文化、人情
はいまも引き継がれており、周辺には水戸黄門の江戸下屋敷跡や神社仏閣、
高名な文人の句碑などの名所古跡も多く、くわえて人情ゆたかな首都東京でも
稀なる文化圏と言えましょう。
この向島の料亭の歴史には諸説ありますが明治時代に定着したといわれており、現代も花街の伝統を守る料亭は二十数軒が健全。
夕暮れには若い芸妓衆、綺麗どころが往来し、その姿にロマンと色香を感じる
ことができるのは東京でも唯一ここ向島だけかもしれない。